『河川敷で火を囲んだ日』 エッセイ - 暮らしの拾いもの Vol.18
04.11 2024
この間、友人に誘われて焚き火のイベントに参加してみた。
イベントといっても、人数に応じて場所代だけ払えば、河川敷の広場の決められたエリア内で自由に焚き火を楽しめるというもの。
焚き火台や椅子などは有料でレンタルすることも可能で、アウトドア経験がない人でも気軽に利用できる。
友人から送られてきたマップをよくよく確認すると、たまにパートナーとバドミントンをしにいく広場だったから驚いた。
あそこで焚き火をやっているのなんて、見たことないぞ……と思っていたら、どうやら市の社会実験の一環として、最近試験的に始めたものらしい。
普段は17時を過ぎると、サッカーボールを蹴っていた少年も、ピクニックをしていた家族連れも、川釣りをしていたお父さんも、みんな片付けをしはじめて家路に着く。
人がほとんどいなくなった河川敷は、昼間の賑わいが嘘みたいにしんと静まり、たまに橋を通り過ぎる電車の音だけが響く。
でもその日の広場には人が集い、いくつもの火が灯っていた。新鮮な光景だ。
椅子を並べておしゃべりするカップル、焚き火台で簡単な調理を楽しむグループ……
みんな思い思いの時間を過ごしている。
昼とはまた違う、大人たちの憩いの場という趣。
焚き火を囲むと、つい語りたくなるのはなぜだろう。
人生観、周囲に言いづらかった悩みや本音。
カフェや居酒屋で話すのとはまた違う深度の話ができるような気がする。
私たちも時間を忘れて、気づけば4時間くらいひたすら話していた。
使われていなかった夜の広場に明かりが灯り、たくさんの語りが生まれている。
語りを通してより相手との距離が近づいたり、揺らめく火に心が癒されたりする。
参加者同士も互いに干渉することなく、それぞれの世界が存在する感じがとても心地良かった。
空いている時間帯をこうして活用できたらすごくハッピーだ。
あれから一週間、もうすでに河川敷で焚き火をしたくてうずうずしている。
(おわり)
#暮らしの拾いものvol.17
#暮らしの拾いもの 全話公開
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