10.02 2021

  • スタッフ 尾中

    「外出は控えているし、マスクもしているし、日焼けは関係ない」と思っていませんか?屋内で過ごしていても、マスクをしていても、実は自分では気づかないうちに紫外線による影響を受けている可能性があります。紫外線の影響はシミができたり、肌が黒くなるだけではありません。今回は、紫外線の肌への影響、日焼け止めの選び方、マスクをしながらの紫外線対策、日焼け予防のスキンケアと食事についてお伝えします。

紫外線の種類とそれぞれの肌への影響とは?

地上に降り注ぐ紫外線には「UVA波」と「UVB波」の2つがあります。UVB波は海やレジャーなどで受ける、肌を黒くしたり赤くしたりする強い波長の紫外線です。肌表面の表皮部分まで届き、強い日焼け(サンバーン)を引き起こし、おもにシミやそばかすの原因になります。

もう1つのUVA波は、1度で強い作用は起こさないものの、波長が長く肌の奥(真皮層)まで到達します。コラーゲンやエラスチンなど肌のハリ弾力を司る部分を壊し、長期的にはシワやたるみの原因になります。このUVA波は、365日欠かさず地表に降り注ぎ、さらに衣類やガラスなども透過します。
つまり自宅にいても窓から、マスクをしていてもその繊維を通過して、少しずつ肌を老化させていくのです。天気が悪くても、自宅にいても、マスクをしていても、紫外線対策は1年365日、毎日必要なのです。

日焼けを予防する効果的な方法

日焼けを予防するために、大事なケアはやはり「日焼け止め」を塗ることです。
朝起きたら、たとえ外出の予定がなかったとしても、スキンケアのついでに日焼け止めを塗りましょう。日焼け止めは、塗ってから約15〜30分ほどでその効果を発揮し始めるため、外出の予定がある場合は、出かける少し前に塗るのが良いでしょう。
また、日焼け止めの他にも、日傘や紫外線カット効果のあるストールやカーディガン、サングラスなどの併用もおすすめです。日焼け止めは、予防効果が高いものでも100%防ぐことはできません。二重、三重での対策を心がけましょう。
最近は、飲む日焼け止めを飲んでいる方も多いですが、飲むタイプは日焼け予防効果は控えめです。必ず塗る日焼け止めとの併用を。また、サングラスやUVカット効果のある衣類、日傘などの日焼け予防効果には寿命があります。
生地自体に紫外線カット効果のあるものは、半永久的な効果があるといわれますが、UVカット加工をしているものは1~2年で効果が弱まるといわれています。可能であれば、毎シーズン買い換えるのが好ましいです。

日焼け止めの種類と選び方

日焼け止めの種類には、紫外線吸収剤と紫外線反射剤・散乱剤という2つのタイプがあります。 それぞれの日焼け止めのメリットとデメリットをお伝えします。

紫外線吸収剤タイプ

紫外線吸収剤は伸びが良く、匂いもないため使用感が良いです。また、紫外線防止効果もSPF50など、予防効果が高い傾向があります。しかしながら、日焼け止めが海で取れたり下水に流れると、環境を汚染する可能性があり、また一定数肌に合わない人も。肌を乾燥させるなどの肌トラブルを引き起こす可能性もあるため、アウトドアやスポーツなど1日中外にいる人、日焼け止めの匂いが苦手の人には、紫外線吸収剤タイプが良いでしょう。

紫外線散乱剤タイプ

紫外線散乱剤は環境や肌に優しく、敏感肌でも使えるものが多い反面、伸びが悪く、白浮きしたり、独特の匂いがします。紫外線防止効果がSPF20から30など低めの傾向がありますが、肌に優しく使いやすいので、普段使いにはおすすめです。
 紫外線吸収剤タイプと紫外線散乱剤タイプの日焼け止めを見分けるには、パッケージをご覧ください。ほとんどの日焼け止め商品には「紫外線吸収剤」「紫外線散乱剤(または反射剤)」と記載があります。ちなみに「紫外線吸収剤不使用」「ノンケミカル」などの表記があるものは、紫外線散乱剤タイプです。

SPF値とPA+とは?

日焼け止めに記載されているSPF値とは、サンバーン(肌が赤くなる)までの時間をどのくらい稼げるかの数値で、UVBに対しての防御力を指します。PA+の表記はUVA波への防御力を数値化したもので、+が多いほど防止効果が高いです。

日焼け止めの選び方

レジャーの場合はSPF50など数値が高く、汗や皮脂に強いウォータープルーフタイプを使いましょう。 SPF値が高く、PA値の+が多い日焼け止めは、肌への刺激が強いものや乾燥を招くものもあります。また日焼け止めが落ちづらく、肌荒れの原因になることも。お肌が弱い人や乾燥している人、屋内で過ごす時間が長い人はSPF30 程度で。屋外で過ごす時間が長い人や紫外線で肌荒れするなどしっかりと防ぎたい人は、SPF50を選びましょう。

マスク生活中の日焼け止め対策

マスクを外してみると、マスクに化粧がベッタリとついていることがありますよね。そうなると日焼け止めも取れている可能性があり、そこだけ紫外線の影響を受けてしまうことも。マスクで日焼け止めが取れるのが心配という人におすすめなのが、摩擦やこすれに強い処方の日焼け止めです。そういった製品はパッケージなどに記載があるので、買うときに注意して見てみましょう。
最近では、マスク自体に紫外線防止効果のある製品も増えてきていますので、合わせてチェックしておきましょう。 また、メイク直しに紫外線防止効果のあるフェイスパウダーなどを持ち歩き、こまめにメイク直しも兼ねて重ね塗りすることで、日焼け予防効果を保つことができます。

日焼けの影響を最小限にする食事について

日焼けや紫外線の影響を最小限にするために、積極的に摂りたいのが「抗酸化作用」のある食べものです。

紫外線を浴びると「活性酸素」が発生します。増えすぎた活性酸素は、乾燥、シミ、シワなど肌にトラブルをもたらします。そのため、活性酸素を除去するといわれている「抗酸化作用」のある食材を積極的に摂取しましょう。
抗酸化作用の代表格は、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイドなどです。ビタミンCを多く含むのは「赤ピーマン」「ブロッコリー」など、ビタミンEは「カボチャ」「アボカド」など。カロテノイドは「トマト」「鮭」「ほうれん草」などに豊富に含まれています。また、抗酸化作用で有名なポリフェノールは「ココア」や「ブルーベリー」などに含まれます。 チョコレートにもポリフェノールは含まれますが、脂質や糖質が多いので肌に良いとは言い切れません。食材選びで迷ったときは「色の濃い新鮮な緑黄色野菜」を選ぶようにすると良いでしょう。
ただし注意したいのが、朝のフルーツです。実は「ソラレン」という成分を含む食材を紫外線を浴びる前に食べると、影響を受けやすくなるという説があります。柑橘類の中にはソラレンを含むものもあるため、念のため朝は避けて夜に食べることをおすすめします。 コーヒーに含まれている「クロロゲン酸」には、メラニン生成を抑制する作用があるといわれており、朝のコーヒーはシミ予防に繋がります。

うっかり日焼けをしたあとの正解スキンケア

気をつけていても、ついうっかり日焼け止めを忘れたり、日焼けしてしまうこともありますよね。そんなときは、日焼け後のケアが大切です。レジャーや強い日焼けをして肌に炎症が起きている場合は、湯船に浸かるなど体温があがることは避けて、まずは冷やしましょう。

タオルを水で濡らし軽くしぼってお肌に当てましょう。冷蔵庫で濡れタオルを冷やしてから使うか、保冷剤を薄めのタオルで巻いてお肌に当てるのもおすすめです。この段階は、とにかく炎症を抑えることが大切なので、シャワーなどもぬるめの温度で。まずは冷やすことに集中してください。
炎症のあるときは化粧品も刺激になることがあるので、普段使用している化粧水と乳液だけ、もしくはお肌の炎症を抑える作用のあるカーマインローションなど、最低限の保湿のみを行いましょう。 炎症が治ったら今度は、美白化粧品の出番です。お肌が落ち着いたら、美白有効成分配合のコスメを使用したり、軽いピーリングや角質ケアなどでお肌の生まれ変わりをサポートして、日焼けでできたメラニンの排泄を促しましょう。

  • スタッフ 尾中

    お肌の老化の80%以上が光老化、つまり紫外線によるものだといわれています。そのくらい、紫外線はお肌にとってはダメージの大きいものです。あまり日差しが強くないからといった油断が、将来のシミ、シワ、たるみに影響します。紫外線対策のケアは365日、毎日続けていくことが大事です。続けやすく、心地良いケア方法を見つけて習慣化してみてくださいね。

参考文献

自身の著書「正しい知識がわかる 美肌事典」(高橋書店)

  • エステティシャン/美容家

    永松 麻美

    自分自身が、ニキビやアトピー、肥満で容姿コンプレックスの塊だったことから美容の道を志し、エステティシャンに転身。女性がキレイになっていくことで自信をもち、生き生き輝く姿に変化する魅力に惹かれて資格取得、サロン勤務経験後、28歳でフェイシャル専門サロンSUHADAを開業。肌質改善や小顔エステなど2万人以上の美容に携わる。

    エステティシャンとしてのサロンワークだけでなく、美容家として、記事執筆、美容講座、プロ向けの講座、スクールの主宰、メディアで美容情報を発信するなど活動は多岐にわたる。

    著書「シワとりパーフェクトブック」(産業編集センター)
    「正しい知識がわかる美肌事典」(高橋書店)

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