『聞いてくれて、ありがとう』 エッセイ - 暮らしの拾いもの Vol.27
01.22 2025
仕事柄、いろいろな人に話を聞かせてもらってきた。
話を聞くのは楽しい。
その人が今考えていること、大切にしたい価値観、最近ハマっていること。
話を引き出すうちに相手の表情が和らいで、楽しそうにしてくれていたら私も嬉しくなる。
でも、ふと気づいたことがある。
そういえば、私は私の話をどんどんしなくなっていた。
プライベートなご飯の席でも、人に話を振ったり聞いたりすることについ一生懸命になってしまう。
場が盛り上がって、「楽しかったね~!」と言ってもらえたら安心する、の繰り返し。
「職業柄、仕方ない」と自分の中で折り合いをつけて、でもいつもちょっと寂しかった。
そういうなかで、「聞かせてよ!」と前のめりに私の話を聞いてくれる人がいる。
とりとめもない、まとまらない話を遮らず、茶化さずに。
それが想像以上に嬉しくて、宝物みたいなことなのだと、この仕事を始めてからあらためて気づかされた。
だとすれば、今まで自分が別の誰かにそうやってきたこともきっと、ぜんぶ無駄じゃないのだ。
今回で最終回となるこのエッセイも、気づけば27回目。
綴ってきたのは何気ない日常のひとコマで、周りの人に話すほどでもないな、となかったことにしてしまうような出来事ばかりだ。
2年と少し、毎月続けてこられたのは、ていねい通販の「ボコとデコ」チームの皆さんがそんな私の話を「聞きたい!」と待ってくださっていたからだと思う。
このエッセイのおかげで、私の日常に向ける眼差しがいつもよりちょっとていねいになって、日々の暮らしに色が増えた。
ていねい通販さん、ごらんの皆さん、私の話を聞いてくださって本当にありがとうございました。
今の世の中は苦しいことも多いけれど、立ち止まって深呼吸をしたあとにもう一度身の回りを見渡せば、小さなしあわせはたしかにそこにある。
ちっぽけに感じる自分が、知らないうちに誰かを支えていたりもするし、逆に自分のへこんだ部分を補い、救ってくれるものは、意外とすぐそばにあるのだ。
そういうことを忘れずに、できるだけ軽やかに生きていけたらいいなと思う。
(おわり)
#暮らしの拾いものvol.26
#暮らしの拾いもの 全話公開
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