『眠れない夜に』 エッセイ - 暮らしの拾いもの Vol.25
11.01 2024
最近、忙しない日々を過ごしているせいか、眠れない夜が続いてしまった。
かなりの心配性な私は、仕事で切羽詰まっていたり、大きなイベントが待ち構えていたりすると、つい頭の中でぐるぐると考えてしまうのだ。
翌日のことを考えて、早く寝なければとベッドに入って目を閉じるのに、なかなか眠気がやってこない。
気持ちばかり焦ってしまって、気づいたら明け方になってしまうことも。
それである日観念し、もう無理に眠ることをやめてみることにした。
目をあけて別の部屋に移動し、さてどうしようかとため息。
買ったばかりの本を読む気にはなれないし、スマホの光は睡眠によくないと聞く。
そこでほんの少し迷った結果手に取ったのは、ふとしたときに書き溜めてきた膨大なメモたちだ。
書かれていることはかなり雑多で、今興味があることのメモもあれば、観た映画の感想、自分の気持ちを書き記した短い文章もある。
一番最初に書かれていたのはちょうど10年前。上京したての春につくった、買い物リストだった。
それらを順番に見ていくにつれて思ったのは、「地元を離れて、どうにか頑張って生きてきたんだな」ということ。
記憶にも残っていないようなメモたちは、そのまま私が東京で生きてきた証だった。
ちゃんとここまで生きてこられたんだから、大丈夫。
そう思ったらなんだか心が安心して、緊張していた肩の力が抜けるのがわかった。
その夜は結局しばらくメモを読みふけったあと、もう一度ベッドに入ってしばらくしたら眠ることができた。
心なしか、からだもポカポカしていたような気がする。
きっとまた不安に駆られる夜はあるけれど、そういうときはあのメモたちを読み返そう。
そのお守りがひとつ増えたことが、ちょっと嬉しかった。
(おわり)
#暮らしの拾いものvol.24
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