『ちっちゃな同居人』 エッセイ - 暮らしの拾いもの Vol.19
05.13 2024
一年半前にパートナーと暮らすようになってから、変わったことはたくさんあるけれど、そのなかでも個人的に大きいのは、家の中にちっちゃいクモがいてもびっくりしなくなったことかもしれない。
自然が多い場所で生まれ育ったが、幼い頃からとにかく虫全般が苦手だった。
見た目も、こちらが予想できない素早い動きも。
自分よりもはるかに小さい存在であることはわかっているのに、急にわ~っと襲われる気がして、怖いのだ。
その恐怖は大人になってからも変わらず、一人暮らしの家で虫に遭遇してしまった際には白目を剥きながら、どうにかして出ていってもらうべく格闘した。
クモなんて見た日には、寝ている間に枕元に来たら......という恐怖で眠れなかった。
そんな私が、今では部屋でちっちゃいクモを見かけても、まったく動じない。
そうなったのは、生き物好きのパートナーが、ハエトリグモの生態について教えてくれたからだ。
彼らは私たちの生活に害を与えることはなく、むしろ害虫を食べてくれる素晴らしい存在なのだと。
それでも最初はぎょっとしていたが、だんだんといることに慣れ、ぴょこぴょこ歩く姿が可愛くも見えてきた。
実際、彼らは人間になんて無関心だ。危害を加えてくることも、もちろんない。
ただただ、害虫がいないかパトロールをしてくれている。
ここは持ちつ持たれつ、見かけてもそっとしておくことにしよう。
そんな感じで、私たちはゆるやかに共存している。
たまに天井にいるクモを眺めては、「あ、Mサイズ」「最近Lサイズは見ないね」などとサイズ呼びをし、当たり前のように日々の会話に登場する。
正直今でも虫は苦手だけど、こんなふうに平和的共存ができていることが、ちょっと嬉しいのだ。
(おわり)
#暮らしの拾いものvol.18
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