『生活を覗き見る』 エッセイ - 暮らしの拾いもの Vol.20
06.10 2024
このところ、日記ブームの加速を肌で感じている。
ノートに書いて終わりではなく、ウェブ上に公開したり、一冊の本にまとめて自費出版したりしている人がどんどん増えているのだ。
私の友人も、すでに何人か日記を書いて世の中に公開している。
たとえば、平安貴族たちの書いたものは、これだけ大々的に公開されてしまっているけれど、もともと日記と言えば、その字のとおり、ごく個人的な日常を記したもののはず。
人に見せることもないし、もし家族や友達の日記を見つけてしまっても、勝手に見るなんて御法度だったと思う。
それくらいプライベートなものに、今はあちこちで触れられる。
実際に読んでみると、他人の何気ない日常が淡々と綴られているだけなのにも関わらず、何だかとても味わい深いのだ。
「今日、この人はこんなふうに生きていたんだな」
「日々の何気ない出来事を、こうやって捉えるんだな」
書いた本人にとっては、あくまで日常の記録だけど、読み手は、その視点を通していろいろなことに気付かされたり、勝手に“同じ一日を生きる同志”のような気持ちになったりするから不思議だ。
もちろん、人に見られることを前提に、多少の編集はしているかもしれない。
それでも、限りなく本当に近いその人の生活や、飾り気のない素直な気持ちを、覗き見させてもらっているようなワクワク感が、日記にはある。
たぶん、すでに書いている人たちも、読み手として日記の面白さを知っているから、あえて個人的なことを他人にシェアしてくれるんじゃないかな。
そうなると、自分でも書いてみたい気持ちが抑えられなくなって、じつはちょっと前からゆるく始めている。
それが結構楽しくて、おおげさではなく一日を生きる理由になっている気がするのだ。
ゆくゆくは一冊にまとめて、私も見知らぬ誰かとこの感覚をシェアできたらいいなとちょっとワクワクしながら、今日も日記を書いている。
(おわり)
#暮らしの拾いものvol.19
#暮らしの拾いもの 全話公開
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