『20年ぶりの出会い直し』 エッセイ - 暮らしの拾いもの Vol.14
12.06 2023
「嫌いな食べ物は何か」と聞かれて、わざわざ挙げるほどではないけれど、ずっと苦手だったもの。
それは「おから」だ。
小学生のころに初めて給食で出たときは、本当にこれは食べるものなのかな、と不安な気持ちになった。
先生は「栄養があるんだよ」と言うけれど、大人がそれをわざわざ言うのは、子どもに苦手なものを食べさせるための常套句だと当時の私はもう知っていたので、「ああ、これは絶対に苦手なやつだ……」と悟った。
いざ口にしてみても、当時の私にはなかなかそのおいしさがわからず、むしろおからに対して強い苦手意識を持ったまま、そこから長い月日が経ってしまった。
しかし先日、閉店間際に立ち寄ったスーパーのお惣菜コーナーで、50%オフになったおからが、「卯の花」の名前でぽつんと取り残されているのを見つけてしまった。
時間的に、このまま私が買わなければきっと廃棄されてしまう。
その使命感からか、気づけば購入しており、ほぼ20年ぶりにおからと対峙することになった。
結果はというと.....「意外とおいしい」を超えて、だいぶハマってしまった。
ピーク時は、週2くらいのペースで食べていたと思う。
味覚が大人になったのもあるのだろうけれど、出汁がきいたしっとりとやさしい味わいがクセになるのだ。
さらに言えば、本来捨ててしまうものを活用している上に、低糖質かつ栄養豊富で満足感もあるなんて、かなりすごいということが、今ならよくわかる。
大豆から豆乳を絞った残りを、こうやって調理して食べようとした人に大きなリスペクトだ。
献立におからを一つプラスすることで、ちゃんと身体を労わっている感覚が自分の中に生まれるのも嬉しい。
おからと出会い直せて、おいしく食べられるようになってよかった。
どうやらそんなに難しくなさそうなので、今度は手づくりにも挑戦してみようと思う。
(おわり)
#暮らしの拾いものvol.13
#暮らしの拾いもの 全話公開
感想をぜひお聞かせください♪
コメントを投稿する
ご紹介させていただく可能性がございます。
場合により、弊社にて投稿内容を編集・削除させていただく可能性がございます。
投稿内容確認
※一度投稿すると、削除・編集操作を行うことができません。
投稿内容にお間違いはございませんか?
送信完了