
コラーゲンとは、タンパク質の一種で、身体中のいたるところに存在する栄養素です。
コラーゲンは一般的に身体の中の「強度」を保つ役割があり、皮や骨の主成分となったり、細胞を接着する足場となったりしています。
また、しなやかで伸縮性があるエラスチンとの合わせ技で、肌の弾力を保ったり、血管をしなやかにしたりと、身体の中のいろいろな場所で美容と健康を保つサポートをしてくれています。
この記事では、そんなコラーゲンについて詳しく解説していきます。
こんにちは!
学生時代はテニスに明け暮れ、日焼けによる悩みが絶えなかった「ていねい通販」の村尾です。
突然ですが、あなた様の肌の調子はいかがでしょうか?
「今日はなんだか調子が悪いわ・・・」という日はありませんか?
肌は、女性の美のバロメータ。
ちょっとしたことで肌が荒れてカサカサしたり、ニキビができたりしますよね。
肌が荒れる原因には、加齢やアレルギーなどが多く関係しているのですが、それ以上に関係しているのが生活習慣。
毎日、どんな食事をしているか?どれくらい睡眠をとっているのか?ということによって、肌の調子は決まるんです!
だから、どんなに良い基礎化粧品を使い続けても、日々の生活習慣が悪ければ、肌の調子は一向に改善しないことも・・・。 たとえは悪いかもしれませんが、現実に目をそむける方法を続けるのではなく、大切なのは生活習慣を見直すことなんです。
そこでオススメしたいのが、食生活の改善です。
特に毎日の食事で「コラーゲン」という栄養素を取るようにすれば、肌の調子が整いやすくなります。
なぜなら、コラーゲンとは私たちの肌を構成する栄養素だからです。
しかも、肌だけではなく骨や血液をつくる役割もあるので、体にとってすごく大切な栄養素なんです。
しかし、このコラーゲン、私たちが年齢を重ねれば重ねるほど自然に減っていってしまうってご存じでしたか?
この記事を読んでくださっている間も老化が始まっていると思うと・・・。
そのピンチから脱するためにはどうすればいいのでしょうか?
答えはカンタンです。
コラーゲンが減ってしまうなら、補えばいいんです!
そういうと、「なるほど、コラーゲンを多く含む食材を食べたり、コラーゲンサプリメントを取ったりすればいいのね」と思いがちですよね。
私もそう思っていたのですが、実はコラーゲンを取ってもそのまま肌に届くわけではないのです。
コラーゲンを摂取すると、体内で「アミノ酸」に分解され、「アミノ酸」として吸収されます。
つまり、本当に大事なのは、アミノ酸の摂取量を増やすという視点なのです。
コラーゲンとアミノ酸との関係について、どこよりもわかりやすく解説すべく、栄養士の永富先生とともにお届けしていきます。
実は永富先生はコラーゲンやアミノ酸のサプリメントの開発に携わっているので、コラーゲンやアミノ酸を効率的に摂取する方法にとても詳しいんです!
ぜひ参考にしてくださいね。

永富先生、今回はよろしくお願いします!

はい、村尾さん、こちらこそよろしくお願いします。
今回は、コラーゲンとアミノ酸との関係についてわかりやすく説明したいと思います。

どうぞよろしくお願いします!
1、コラーゲンに託された驚きの役割!それは肌を支える力

では、まずは「コラーゲン」という栄養素について説明していきますね。
コラーゲンという言葉、美容系の食品などでよく聞きますよね。
村尾さん、コラーゲンって言葉を聞くと、どんなイメージがありますか?

コラーゲンという言葉を聞くと、ぷるぷるとしたイメージが浮かびます。

村尾さんもそうですか。
コラーゲンといえばぷるぷるというイメージは、多くの人が持っていると思います。
では、ぷるぷるとは、言い換えるとどういう状態なのでしょうか?

う~ん、ぷるぷるとするためには、ほどよい弾力が必要なのかなと思います。
あ、ほどよい弾力といえば、テニスの軟式ボールが思い浮かびました!
軟式ボールはゴムでできているので、ぷるぷるするためにはゴムのような弾力性が必要ということでしょうか。

ぷるぷる感をゴムにたとえたのは、とてもいいですね。
では、ゴムってなぜ、あんなに弾力性があるのでしょうか?

ゴムに弾力性がある理由ですか・・・?
・・・うーん・・・。

ではお答えしましょう。
それはちょっと難しいかもしれませんが、大事なことなので聞いてくださいね。
実はゴムって、ひとつの物質から成り立っているのではなく、ゴムを構成する複数の分子がつながることで成り立っているんです。

ふ、複数の分子・・・?

はい。
イメージでいうと、次の絵のような感じです。

あっ、絵で見ると、なんとなくイメージできました。

こんなふうに複数の分子がつながることで弾力性は生まれます。
ということは、この分子のつながりが弱くなってしまうと、弾力性は失われてしまうんです。

・・・!
あれっ、ということは・・・?

気づきましたか?
肌の弾力も同じように、コラーゲンやエラスチンなどの繊維成分と基質等がつながり、肌を支えることで保たれています。

それって・・・?

はい、そうです。
コラーゲンとエラスチンが肌を支えているからこそ、肌の弾力は生まれているんです。
特に重要なのがコラーゲンで、真皮乾燥重量の70パーセントを占めるといわれています。
さらにいえば、コラーゲンは体内のいたるところに存在する栄養素で、肌を支えるだけでなく、骨の強度を高めたり、血管をしなやかにしたりしているんですよ。
コラーゲンのうち、40%は皮膚に、20%は骨や軟骨に、残りは血管や内臓に存在しているといわれているんです。

コラーゲンってすごいんですね・・・!!
ちなみに、コラーゲンはⅠ型・Ⅱ型・Ⅲ型・・・というように「型」で分類されています。
I型は主に真皮や血管、Ⅱ型は軟骨や眼の硝子体、そしてⅢ型は血管の内壁など、それぞれが身体のあらゆるところに存在しています。
(参考:西田 紀貴,嶋田 一夫(2008)生化学 Vol.80,No.6,pp.483~492:コラーゲン結合タンパク質を介した生命プロセスの活性化機構)
そして、型ごとに機能があります。
以下にいくつか機能の例を紹介しますね。
- Ⅰ型:体内に最も多く存在し、皮や骨の主成分となっている。
- Ⅳ型:網目状の構造で、上皮細胞が接着する足場としての役割を担っている。
- Ⅶ型:表皮と真皮の間にあり、それらの結合に重要な役割を果たしている。
(参考:小山洋一(2010)皮革科学 Vol.56,No.2,pp.71~79:天然素材コラーゲンの機能性)
(参考:西田 紀貴,嶋田 一夫(2008)生化学 Vol.80,No.6,pp.483~492:コラーゲン結合タンパク質を介した生命プロセスの活性化機構)
(参考:弘前大学医学部皮膚科教室(1997)Connective Tissue Vol.29,pp.279~283:VII型コラーゲンとその関連疾患)
少し難しいお話になってしまいましたが、コラーゲンにはいくつかの「型」があり、それぞれが身体の中のいたるところで活躍している、ということだけでも覚えておいてくださいね。
2、コラーゲンはなぜ肌を支えられるの?
先ほど、コラーゲンには肌を支える力があるとお伝えしましたね。
次の図をご覧ください。
この図は肌を拡大したものですが、表皮を支える繊維状のものがコラーゲンです。
コラーゲンがなければ、それぞれの細胞がしっかりと支えられません。
つまり、コラーゲンには肌を支える力があるといえます。
ただ、このコラーゲン、加齢とともに減少してしまいます。
次のグラフを見ると、35歳くらいからガクっと減ってしまっていますよね。
(出典:Maturitas 18(1994)199-206)
年齢を重ねるにつれ、「肌に弾力感がなくなった」、「たるみがでてきた」と感じるのは、コラーゲンが減少し、肌が支えられなくなってしまうからなんです。
3、コラーゲンを減らさないようにするにはどうすればいい?

先生、質問です!
コラーゲンを多く含む食品を食べたり、サプリメントを飲んだりすれば、肌は安定して支えられるんでしょうか?

はい。
加齢によるコラーゲンの減少は防ぐことはできませんが、コラーゲンを多く含んだ食品を食べることで、コラーゲンを補うことはできます。
ただ、シンプルにコラーゲンを摂取するのもよいのですが、コラーゲンの構成成分である「アミノ酸」を複数種類とることをオススメしています。

えっ!?
アミノ酸ですか!?

そうなんです。
実は、コラーゲンの構成成分はアミノ酸なんです。
肌を支える役割をもったコラーゲン自体が、アミノ酸がつながることでつくられているんです。
つまり、先ほどコラーゲンの役割として紹介した、肌を支えたり、骨も強度を高めたりするのは、アミノ酸の役割でもあるんです。
ほかにも、体内でのアミノ酸の役割まとめると、以下のようなことが言えますよ。
●アミノ酸の役割
- 肌を支える
- 骨の強度を高める
- 血管をしなやかにする
- 爪を丈夫にする
- 髪を丈夫にする

ちなみに、人体のタンパク質を構成するアミノ酸は20種類あるのですが、どんなアミノ酸がどのようにつながるかによって、コラーゲンの種類が変わってきます。
コラーゲンを含めたタンパク質全体のつながり方のパターンでいえば、なんと10万種類以上(※)にものぼるといわれています。
※参考:遠藤克己(2013)栄養の生化学(改訂第3版)

10万種類・・・!
それはすごいですね・・・!
なんだか、手巻き寿司みたいですね。
具材の組み合わせによって、完成するお寿司のレパートリーは無限・・・みたいな。

ははは(笑)
村尾さんは食いしん坊ですね。
食べ物の話をすると目がキラキラしていらっしゃる。
それはさておき、手巻き寿司のたとえはとてもわかりやすいです。
村尾さんのおっしゃる通り、コラーゲンがお寿司で、アミノ酸は具材みたいなものだと考えてください。

先生のおっしゃっていることがよくわかりました!
次のようになるってことですね。

はい、その通りです。
コラーゲンはアミノ酸から構成されているため、コラーゲンを摂取しても、コラーゲンとして吸収されるわけではなく、一度アミノ酸に分解されてから吸収されます。
つまり、「アミノ酸を摂取する」ということがキーポイントになるというわけです。

なるほど!
でも、アミノ酸の摂取量ってどのように増やせばいいのですか・・・?

それでは、アミノ酸の摂取量を増やす方法について解説していきましょう。
4、アミノ酸の摂取量の増やし方
ここまで、コラーゲンを補うためには、コラーゲンの構成成分である「アミノ酸」の摂取量を増やすことをオススメしてきました。
このアミノ酸の摂取において知っておかないといけないことがあります。
それは、アミノ酸には「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」というものがあるということです。
実は「必須アミノ酸」は体内ではつくられません。
つまり「必須アミノ酸」とは、食事からの摂取が“必須”であるアミノ酸のことを指します。
● 必須アミノ酸 |
---|
バリン |
イソロイシン |
ロイシン |
メチオニン |
リジン(リシン) |
フェニルアラニン |
トリプトファン |
スレオニン(トレオニン) |
ヒスチジン |
● 非必須アミノ酸 |
---|
アルギニン(※1) |
グリシン |
アラニン |
セリン |
チロシン(※2) |
システイン(※3) |
アスパラギン |
グルタミン |
プロリン |
アスパラギン酸 |
グルタミン酸 |
※1 子供にとっては必須アミノ酸に含まれます
※2 条件的必須アミノ酸
※3 乳幼児にとっては必須アミノ酸に含まれます
食品に含まれる必須アミノ酸量
必須アミノ酸は、特に肉や魚などの「動物性タンパク質」を含む食材に多く含まれています。
「動物性タンパク質」とはその名の通り、肉・魚・卵・牛乳などの動物に関係があるタンパク質のことです。
食品 | 必須アミノ酸量 (※) |
---|---|
まあじ / 皮つき / 生 | 8,360mg |
かつお / 春獲り、生 | 11,520mg |
しじみ / 生 | 2,767mg |
うし / [和牛肉] / サーロイン / 皮下脂肪なし、生 | 5,790mg |
ぶた / [大型種肉] / ロース / 皮下脂肪なし、生 | 9,160mg |
鶏卵 / 全卵 / 生 | 5,350mg |
普通牛乳 | 1,477mg |
※可食部100g当たりに含まれるイソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジンの総量
(出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」)

これは勉強になります!
豚肉や鶏肉が好きだから、いっぱい食べようかな。

あ、もちろん、食事のバランスは大事ですよ!
必須アミノ酸を摂取することは大事ですが、くれぐれも食べ過ぎないように・・・。
あと、コラーゲンの合成にはビタミンCが必要不可欠のため、ビタミンCを一緒にとるといいですよ。 せっかくなので、ビタミンCを多く含む食品も紹介しておきましょう。
食品名 | 成分量 100gあたりの量 |
---|---|
油脂類/(植物油脂類)/やし油 | 83.96g |
油脂類/(植物油脂類)/パーム核油 | 76.34g |
種実類/ココナッツ/ココナッツパウダー | 55.25g |
油脂類/(バター類)/食塩不使用バター | 52.43g |
油脂類/(その他)/ショートニング/業務用/製菓 | 51.13g |
油脂類/(バター類)/発酵バター | 50.56g |
油脂類/(バター類)/有塩バター | 50.45g |
油脂類/(植物油脂類)/パーム油 | 47.08g |
油脂類/(その他)/ショートニング/家庭用 | 46.23g |
油脂類/(その他)/ショートニング/業務用/フライ | 41.37g |
(出典:食品成分ランキング)

ビタミンCも忘れないようにメモしておきます!
先生、本当にありがとうございました!
今回のお話を聞いて、コラーゲンとアミノ酸との関係がよくわかりました。

それはよかったです。
アミノ酸は普段の食生活を工夫するだけでも効率的に摂取することができるので、もしアミノ酸が足りていないという場合には食事を見直してみてくださいね。

はい!わかりました。
でも、私は料理があまり得意じゃないし、食事はカロリーが気になるから、サプリメントのほうがお手軽かな(笑)

それもひとつの方法ですね。
アミノ酸は大切な栄養素ですので、しっかり取り入れてくださいね。
- 話者:
- 永富健史先生(栄養士)、村尾りか(ていねい通販)
- 監修:
- 永富健史先生(栄養士)